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シンポジウム

第9回 シンポジウム

開催日時
2016年2月19日(金)14:00(開場13:30)~17:30
開催場所
日本橋三井ホール(東京都中央区) 
テーマ・内容
地方創生 ~企業のアプローチと挑戦~
プラチナ構想は、「新たな雇用」と「多様な働き方」をも
 創り出す社会構想。
 そのカギを握るのは企業 ― 今、「企業のアプローチと
 挑戦」が地方創生を動かします。
「第2回プラチナ構想活動報告会」プログラム

プログラム・パンフレット 

[PDF:3.39MB]

今回は「地方創生 企業のアプローチと挑戦」と題して、地域再生、雇用創出を軸に取り組みを推進しているベンチャー経営者や大企業経営者等に事例紹介や取組意図、成果、今後の展望等をご披露いただきました。そして、最後に会長小宮山宏が全体を通して総括し、地方創生の実現に向けた提言を行いました。

講演内容の要約

◇増田 寛也氏(東京大学公共政策大学院 客員教授)  
 『地方創生概論 ~企業への期待~』

増田 寛也氏(東京大学公共政策大学院 客員教授)

 これまで大都市圏、とりわけ東京圏への大幅な転入超過は、経済原則を理由とした流入であるので、これを解決するには地方が東京に劣らない魅力的な雇用の場を創ることが必要である。

 生産年齢人口は今後ますます減少していく。この減少を北欧並みの女性の労働力化や高齢者の就業で賄う必要がある。このためには30代~40代前半に女性の労働力率が低下するM字カーブの解消が必要である。また、女性の労働力化には夫の家事・育児への参加が不可欠である。

 地方創生は「まち、ひと、しごと」の3要素に分解しているが、しごと=雇用が最も重要だろう。

 企業には現在東京に集中している本社機能の一部を地方に展開できないか是非検討戴きたい。また、若い人には結婚や家事ができるよう、残業は上司が引き受けるなど仕事での気配りができる会社になって頂きたい。企業には工夫の余地が大いにあると期待している。

◇山本 稔氏(株式会社アラタナ 代表取締役)
 『地方企業としての成長戦略 ~ ビジネス成長の結果としての雇用創出~ 』

山本 稔氏(株式会社アラタナ 代表取締役)

【アラタナモデルの成長戦略】
①優秀な人材を受け入れる
 地方企業にとってキーにしているのはIターン、Uターンの人財。 I・Uターン者は外で仕事等を経験した人材であり、それぞれが特異な経験を持っており、これらの経験を持つ人材は変化に強いと考えている。

②優秀な人材を引き付ける
 「場が持つ力」を使う。1年間限定で東京・宮崎での並行勤務を認める「東京-宮崎のデュアルライフ」採用を導入。東京と比較して、宮崎なら家賃が年間160万円安くなる、宮崎なら東京通勤に比し年間283時間の余裕がうまれ、子育てや趣味に時間を使えるなどを訴求している。
 クライアントの9割は東京アドレスのため、地方でも東京と同じレベルのキャリアを積むことができることも訴求点である。

つまり、
オフィスに入れば東京、オフィスを出れば宮崎

③東京標準のコピーはしない
 営業、プログラム、デザインをそれぞれできる人を集めるが、経験がない素人であったからこそ、資金もない中で、電話で営業をしていくなど創意工夫をしながら、宮崎の地でできる事業の仕組を整えてきたことが今日に繋がっている。

【地方発起業サイクルの形成】
 県外誘致企業で専門知識を学び、働き、いずれは独立して起業する。そこに老舗地場企業が資金を拠出していく―そのような県外誘致企業と地場老舗企業のコラボレーション(企業連携)が起業のサイクルを形成し、宮崎における展開が日本各地のロールモデルとなることを目指したい。

◇濵田 総一郎(株式会社 パスポート代表取締役社長)
『再生可能エネルギーが地域ポテンシャルを引き出す ~ 次世代型まちづくり実現化への道 ~』

濵田 総一郎(株式会社 パスポート代表取締役社長)

 いちき串木野市に「工業団地で太陽光発電を実施し、日本一環境負荷の少ない次世代型のまちづくりをしよう」と提案した。このとき、後世の人に「あの時の世代の無為無策でまちは衰退した」と禍根を残しことは許されない、と環境負荷の少ないまちづくりで未来を切り拓こうと行政や工業団地の企業に働き掛けを行った。

 太陽光パネルは遮熱性もあることから空調費用も安くなり、10年でコスト回収が可能である。その後は無償譲渡されるが、発電パネルは劣化も少なく30~40年経ても発電効率は9割を維持できるので、 10年を経た後は売電収入等が経営に寄与することとなる。
 また、金融機関からの借入れにあたり担保が必要となったが、担保に九州電力への売電収入を充てるという新たな仕組みを構築、この仕組みは評価され、新エネ大賞「経済産業大臣賞」の受賞に繋がった。
 さらに市民の参加を仰ぐという意味で市民ファンドを公募、利子や特産品を市民に提供することで 地域住民が貢献できるプロジェクトとなっている。

 新エネ大賞では「再生可能エネルギーには地域発展のポテンシャルがあることを証明してくれた。再生可能エネルギーは未来へ進む推進力を創った。」という意味で画期的であるとのコメントも戴いた。今後は、市、(株)パスポート、さつま自然エネルギー等が出資して電力小売会社もつくり、豊かな未来に向けて事業を進めていく。

◇坂根 正弘氏(コマツ相談役)
『コマツは日本の縮図~地方創生と民間の役割~』

坂根 正弘氏(コマツ相談役)

 コマツは石川から東京へ本社を移し、大卒一括採用、神戸港・横浜港に近い大阪枚方、川崎などの工場を建設した。80年、90年代は海外へ工場展開、ここまでは日本の多くの企業と同じ、日本の縮図である。その後、2001年に始まる経営構造改革により、日本国内のモノづくりコストの国際競争力は負けていないことを確信し、国内投資の拡大と北陸回帰へ舵を切った。
 北陸回帰は、安いところでものづくりをすれば競争力が保てる、と考えたことが理由の一つ。もう一つの理由は少子化問題の解決への寄与である。コマツの30歳以上の既婚女性社員の子どもの数は石川では1.9人であり、管理職に限れば2.6人と多い。これに対し東京本社では0.9人、これに結婚率石川80%、東京本社50%を乗じると、石川は東京の3.5倍にもなる。

 改革の出発点は“見える化”である。本質を見抜く“見える化力”があれば、問題の所在が明確になり、この国を変えていけると思っている。

◇和田 愼司氏(小松市長)
『日本の真ん中から地方創生をリ-ド 
~共創のまちづくり 市民 企業 大学 行政 一体となって~
まちづくりは「一滴の情熱から」始まりました』

和田 愼司氏(小松市長)

 小松市は地方自治体の縮図である。かつて、人口は減少、にぎわい低下、借金だけが増えたという状況であり、悪い地方自治体の典型であった。そのため、SWOT分析等で小松市の強み・弱みをしっかりと認識するなど、民間の経営感覚による行財政改革(※)を断行した。(※職員のプロ集団化推進、市民に身近な市役所(休日窓口対応など)、意思決定の速い組織化、3ム(ムリ、ムラ、ムダ)業務改善、固定費圧縮など)

 シニアや女性が活躍できる施策や3世代の定住政策を進めたことにより、小松市の女性管理職比率は27%(2014年)で日本一であり、また、“住みよさ”は90位(2009年)あたりから29位(2015年)まで上昇、合計特殊出生率も1.52(2009年)から1.71(2014年)まで上昇した。
 これまでは問題の解決を進めてきたが、新たな課題に挑む『Next10構想』を策定した。テーマは“Co-relation(共創)”である。大学進学率は非常に高いが、7割が県外に出てしまっているので、地元企業とともに是非大学を創りたいと考えている。民間企業にも小松市をさらに住みよい地とするために“共創”に関わって戴きたいと願っている。

◇小宮山 宏(プラチナ構想ネットワーク会長)

総 括

小宮山 宏(プラチナ構想ネットワーク会長)

【地方における雇用創出】
 地方で雇用を生むにはいろいろなやり方があるが、その1つは本社機能の一部を移すもの。これには地縁をきっかけとするものやビジネスの継続性から複数立地等をするBCP、地方に人財を求める移転、そして移転に対する税などの優遇措置を契機とするもの等が考えられる。いずれもビジネスとして成り立つとの計算のもとに実施している。

 もう一つは新しくビジネスを創っていくもの。今回はそのうちの2事例を紹介した。まずは地産地消、近年再生可能エネルギーが利用されているが、石油など年間20兆円輸入をしているわけだから、これを地産に置き換えるだけで、20兆円が生まれる大きなポテンシャルを持っている。外には気仙沼ニッティングなどが地方で創業している。キャリアアップも有効な方法だ。シニアもポリッシュアップすることで、例えば海外経験の長い人が語学で教壇に立つなど、今までの経験を生かすことが可能である。また、ICT活用によるテレワーク、サテライトオフィスは重要である。中央省庁の誘致も実際は難しいだろうが、消費者庁と言わず、経済産業省など大物を誘致したらよい。省庁も相当部分がテレワークでできるはずである。

【情報と移動の自由が生む社会】
 我々は「情報と移動の自由」を手に入れ、時と場所を選ばない多様な働き方が可能となった。それは地方で子どもを3人持ち、仕事の生きがいも得るという生き方も実現する。都市の刺激かいちき串木野市(鹿児島県)の夕焼けかの二者択一ではなく、ふたつを楽しむことができるのだ。

【生活価値を高める産業・雇用の創出】
 殆どの人は衣食住の自由を得た今日、誇りある生活を享受できる機会を提供することが重要となる。ものづくりの量は飽和して一定になっていく一方でこれを作る人を減らし、生産性を挙げていく(農業同様ものづくりも生産性が高まり、雇用は少なくなっていく)。それではどこで雇用を増やすかといえば、一つはワークシェリングであり、もう一つは生活価値を高める新しい需要の創造である。

 これが何かを議論することが必要であるが、私たちの議論では「健康・自立」「学習」「人との交流」「環境・資源」そして「観光・発見の旅」などが挙げられている。20世紀の普及型需要から新しい需要を創っていくことが、地方において雇用創出と生活価値の両立、それが今まさに求められている。我々は、新たに雇用を創出し、プラチナ社会形成に資する動きを加速しなければならない。

 本日は企業という立場から議論を進めてきたが、企業と自治体あるいはNPO・市民が一緒に協力して新しい雇用を創っていく、そして少子化を逆転させる社会を創っていくことが地方創生の肝ではないかと考えている。

※参考資料 (「総括」小宮山会長説明資料より抜粋)

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